2021/05/28

卒業生からの手紙①

  私が「ASU」に来たのは、親からも逃げたかったからです。家にも居場所はありませんでした。その頃は屋根裏部屋に布団や好きな本を持ち込んでこもっていましたが、家にいてもむなしくなるだけでした。でも本当は「ASU」にも行きたくありませんでした。不登校の子ばかり通っている学校なんて、暗くて絶対おもしろいわけがないという先入観があったからです。

 でも「ASU」で出会った友だちは、気を遣わなくていい人たちでした。それまでの私は友だちの顔色ばかり見て合わせることに必死でした。にもかかわらず、友だちと呼べる子はいなかったかもしれません。グループからはじき出されないようにふるまっていただけです。「ASU」にはいろいろなタイプの子がいました。違う年齢の子とも仲良くなれました。それまで特定の子としか話をしなかった私が、誰にでも自分から話しかけていました。こんな私でもいいのだと思えました。

 不登校をしていなかったら、自分を見つめることもなく、仮面をかぶって、成長もしないままつまらない大人になっていたと思います。学校に行っていた自分とは違う「強さ」を手に入れたと思っています。私には必要な道でした。

      ※現在は看護師として働いていらっしゃいます。